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一般内科

高血圧

高血圧とは、血圧が140/90mmHg以上を越えて高くなることを指します。高血圧はその原因により、本態性高血圧と二次性高血圧に分けられます。一般的に、高血圧は本態性高血圧のことを指し、日本人の高血圧の大半はこちらに分類されます。
リスク因子としては、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙といった生活習慣、加齢、遺伝的な要因などが関連しているといわれています。二次性高血圧の原因には、腎実質性高血圧、腎血管性高血圧、内分泌性高血圧(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)、睡眠時無呼吸症候群、遺伝性高血圧、薬剤誘発性高血圧などがあります。
高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物治療の2つによって行われます。まずは、高血圧に関与している塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙などの生活習慣を改善します。生活習慣の改善で血圧が下がらない場合、降圧薬による薬物治療を行います。

脂質異常症

脂質異常症とは、コレステロールや中性脂肪などの脂質代謝に異常をきたし、血液中の値が正常域をはずれた状態をいいます。2007年4月に日本動脈硬化学会がガイドラインの改訂を行い、「高脂血症」から「脂質異常症」に名称を変更しました。
脂質異常症には、LDLコレステロールが140mg/dl以上の「高LDLコレステロール血症」、HDLコレステロールが40mg/dl未満の「低HDLコレステロール血症」、中性脂肪が150mg/dl以上の「高トリグリセライド血症 (高中性脂肪血症)」があります。
脂質異常症を放置すると、動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの病気のリスクが高くなります。また、中性脂肪の値が高いと、冠動脈疾患・脳梗塞・脂肪肝・急性膵炎などのリスクが高くなります。
脂質異常症の治療は、生活習慣が原因である場合には、食べ過ぎ、肥満、運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣の改善が基本となります。それだけでは十分な改善がみられない場合は薬物治療を行います。

糖尿病

糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用不足によって、血糖値が高くなる病気です。
糖尿病の発症には遺伝的な要素がみられますが、生活習慣病のひとつです。多くの場合、食生活や運動不足、肥満などに起因します。
糖尿病を無治療のまま放置すると、心筋梗塞や脳梗塞だけでなく、3大合併症といわれる糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害(糖尿病性ニューロパチー)にかかるリスクが高くなります。
糖尿病は、大きく1型糖尿病と、2型糖尿病に分けられます。1型糖尿病はインスリンをつくる膵臓の細胞が障害されることで起こります。2型糖尿病は糖尿病全体の90%以上を占め、食べ過ぎや運動不足、肥満などによって発症します。遺伝的要素も大きく、家族に糖尿病患者がいる場合に発症する可能性が高いといわれています。
糖尿病の診断と病状の把握は、血液検査にて主に血糖値やHbA1c(過去1〜2ヶ月の平均的な血液中のブドウ糖の量)、血中インスリン値などを確認します。糖尿病の治療は、まず食事療法や運動療法を行います。食事内容を改善したり、適度な運動を生活に取り入れます。食事・運動療法で症状の改善が見られない場合は、経口血糖降下剤やインスリン注射などによる薬物治療を行います。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態です。
腹囲を測定することで、内臓脂肪の状況を推定します。診断は、腹囲が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると「メタボリックシンドローム」と診断されます。①血圧は収縮期血圧が130mmHg以上、かつ/または拡張期血圧85mmHg以上、②空腹時血糖は110mg/dl以上を陽性とします。③脂質は中性脂肪150mg/dl以上、かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満が指標となっています。
メタボリックシンドロームは、重篤な病気につながるリスクがあるため、治療介入が望まれます。
メタボリックシンドロームは肥満に関連して起こるため、まずは体重減少を図ることが重要です。体重を減少させるためには、食事内容を改善したり、適度な運動を生活に取り入れます。

風邪

風邪とは、上気道(喉と鼻、気管支)のウイルス感染症のことです。ウイルスが上気道に感染することで炎症が起こり、鼻水や鼻づまり、咽頭痛、咳、痰、くしゃみなど特有の症状が現れます。
風邪は、基本的には自然治癒が見込める疾患であり、ウイルスに対する特効薬も存在しません。そのため、基本的には安静を保ち、解熱鎮痛剤や去痰剤など症状にあわせて対症療法を行うことが治療の基本となります。
数日で軽快する風邪ですが、肺気腫や喘息などを有する方がかかると症状が増悪することがあります。そのため、風邪をひかないように手洗いやうがいを徹底し、感染予防をすることが大切です。

インフルエンザ

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスにより引き起こされる急性ウイルス性疾患です。11月頃から患者が増え始め、1月頃に流行がピークに達し、4月過ぎに収束する傾向があります。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型があり、「季節性インフルエンザ」を引き起こす型は、A型とB型です。インフルエンザは咳や鼻水を介する飛沫感染によって感染し、1〜2日程度の潜伏期間の後に発症します。高熱、悪寒戦慄で発症し、同時に筋肉痛や咳、鼻水などの症状が現れます。発熱期間は3〜5日ほどであることが多く、38度以上の高熱が続いた後、解熱傾向になります。
インフルエンザの診断には、迅速キットが使用され、結果は10〜15分ほどで判明します。
インフルエンザの治療薬には、内服薬、吸入薬、点滴薬があります。早期の段階(発症後48時間以内)に治療を開始することがよいとされています。
インフルエンザは、感染の広がりをできるだけ防ぐ行動が大切です。インフルエンザの流行を拡大させないために、現在学校保健安全法ではインフルエンザによる出席停止期間を「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」としています。手洗い、うがい、マスクの着用などを心がけ、感染予防をすることが大切です。ワクチン接種を受けることも予防法のひとつです。

胃腸炎

胃腸炎とは、胃や腸管に炎症が生じ、下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状が引き起こされる病気です。
胃腸炎には、感染性胃腸炎と非感染性胃腸炎があります。
感染性胃腸炎の原因となる細菌やウイルスにはさまざまな種類があり、食品を介しての感染を食中毒と呼ぶこともあります。感染性胃腸炎には細菌性胃腸炎とウイルス性胃腸炎があります。細菌性胃腸炎の原因菌には病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌などがあります。ウイルス性胃腸炎の原因としては、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあります。ノロウイルスは秋から冬にかけて乳幼児から高齢者までに広く流行するウイルスです。ノロウイルスやロタウイルスなどは迅速診断キットが開発されており、便の採取による迅速診断が可能になりました。
一方、非感染性胃腸炎の原因としては、非ステロイド系消炎鎮痛剤などによる胃・腸管粘膜障害、刺激物やアルコール・冷たい食べ物などの摂りすぎによる胃腸機能障害、アニサキスなどの寄生虫があります。細菌性胃腸炎では原因菌に適した抗生剤が使用されることもありますが、基本的には脱水に注意しながら、症状にあわせて対症療法を行います。小児や高齢者は脱水になりやすいため、十分な水分が摂れない場合には点滴が必要になります。

気管支喘息

気管支喘息とは、気管支の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気です。アレルギー反応によって気管支粘膜がむくみ、筋肉が収縮するなどして気管支の内側が狭くなり、その結果、咳や痰、呼吸困難、喘鳴などの症状が起こり、それが慢性的に繰り返されます。
喘息発作を引き起こす原因としては、ダニ、ハウスダスト、ウイルス感染、運動、タバコ、ストレス、気候や気温の変化、ペットの毛などがあります。血液検査でアレルギー体質の有無やどういうものにアレルギー反応を起こしやすいかを調べることができます。
治療は、吸入ステロイド薬などの長期管理薬にて発作が生じないような状態にコントロールし、発作時にはより即効性の高い吸入薬や貼り薬を使用します。
近年、咳喘息と呼ばれる、咳のみが主症状である喘息が多くみられます。咳は出るものの、呼吸困難や喘鳴は認めません。しかし、咳喘息の方が気管支喘息になってしまう場合があり、注意が必要です。

花粉症

花粉症とは、植物の花粉が原因で生じる季節性アレルギー性疾患で、体内に侵入した花粉に対して引き起こされるⅠ型アレルギー反応です。
原因となる植物は、スギ、ヒノキ、イネ、ヨモギ、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバなどがあり、日本で最も多いのはスギ花粉症です。原因を特定するためには、血液検査にて「特異的IgE抗体測定」を行います。
花粉は植物の種類によって飛散時期が異なり、スギは1月以降、ヒノキは3月以降、イネは5~6月にかけて流行がみられます。
花粉症の主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりですが、花粉が目に入ると目の痒み、充血、流涙といった症状も現れます。薬物療法は抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の内服や点鼻薬による対症療法が中心です。
一方、減感作療法は、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを、低濃度、少量から投与し、徐々に増量、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法で、根治療法として高い治療効果が期待できます。治療前に、症状がアレルゲンによるものかの確定診断が必要で、治療は長期間(3~5年)かかります。舌下減感作療法は患者さんが自宅で行える治療であり、頻回の通院は必要ありませんが、起こりうる副作用や その際の対応も含め、患者さんご自身の治療法に関する十分なご理解が必要になります。

頭痛

頭痛とは、頭頚部に痛みが生じることです。その種類はさまざまで、原因もそれぞれ異なります。
頭痛は、原因疾患のない一次性頭痛と、脳腫瘍や脳出血、外傷などの病変が原因となる二次性頭痛があります。
一次性頭痛には片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛などが含まれ、最も多いのは緊張型頭痛です。緊張型頭痛は、ストレスや姿勢の異常、頭頚部の筋肉の酷使などによって、頭頚部の筋肉が凝った状態となり、筋肉が放出する発痛物質によって頭痛が生じると考えられています。頭部全体を締め付けられるような痛みが特徴です。片頭痛は、三叉神経周辺の血管が拡張し、神経を刺激することで発症すると考えられています。一側性の前頭部から側頭部にかけての拍動性の痛み、吐き気、光過敏が特徴です。群発頭痛は、アルコールや硝酸剤などの血管拡張薬によって頭部の血管が拡張することが原因といわれています。目の周囲の激しい痛み、目の充血が特徴です。
一次性頭痛の治療は、緊張型頭痛では筋弛緩薬や抗不安薬、片頭痛と群発頭痛ではトリプタン製剤などが使用されます。